「DC(確定拠出年金)」の加入者数が200万人を突破しました。
以前、当サイトでもお伝えしましたが、確定拠出年金の加入者数が200万人を突破しました。
企業型DCの加入者数は7月末現在で199万2,000人。厚生年金加入者数(約3,300万人)の約6%、厚生年金基金など従来型の企業年金の加入者数(1,500万人弱)の1割強に当たり、前年同月比28%増えました。
これに個人型の加入者数約万人を加えた加入者総数は206万2,000人で、同28.4%の増となりました。導入企業数は8月末現在7,298社で、前年同月比48.8%の増となりました。
確定拠出年金の普及状況とその背景ですが、バブル崩壊以降、確定給付型の企業年金は長期にわたる運用難から積み立て不足に悩まされてきました。直近でこそ、昨年来の株価上昇などを受けて2005年度の運用利回りは厚生年金基金で21.1%、確定給付企業年金で16.5%、国民年金基金連合会で20.7%など調査開始以来、過去最高となっています。
しかし企業としては相場の動向によって大きく左右される年金債務の変動に歯止めをかけるため、あらかじめ定めた掛金を拠出することで不安定要素を無くすことができる確定拠出年金に比重を移す動きが広がっています。
確定拠出年金は2001年10月の制度開始以来、大企業を中心に普及してきましたが、2004年の規制緩和で拠出額の引上げやポータビリティの拡充等が行なわれ、導入を後押ししています。
中小企業における確定拠出年金ですが、従業員数300人未満の企業が導入企業の8割を占めるなど、中小企業に浸透してきています。これは2012年3月末に廃止される適格退職年金からの移換が主であると思われますが、まだまだ確定拠出年金制度への移行タイミングをはかっている企業も多く、それらの企業が動き始めれば、この流れは今後さらに加速するものと思われます。
確定拠出年金の加入者増を受けてDCの資産残高も増加しており、今年3月末で2兆1,500億円となりました。また今夏には2兆5,000億円を突破したという推計もあり、日本なりのペースで順調な推移を見せています。
70年代から確定拠出年金を導入した米国では加入者が4千万人強、資産残高は2005年末に3兆6,000億ドル(約420兆円)に達しており、株式相場の牽引役の一翼を担っています。日本でもこのまま普及が進めば、将来的には市場における年金マネーの影響力が強まってくる可能性がありますが、より一層の規制緩和と、加入者教育の充実、何よりも投資に対する意識改革等が大きな課題となるでしょう。
こうした中で政府の対応ですが、第90代首相に選出された安倍自民党総裁が総裁選公式サイトで
掲げた政権構想において、確定拠出年金にも言及しています。
政権構想では6つの「具体的政策」の中で「健全で安心できる社会の実現」を挙げています。
そのひとつとして『「日本型社会保障モデル」で安心安全のセーフティネット』という項目を第一に置いており、「わかり易い年金制度の確立」、「社保庁の徹底的改革」などのほか、「確定拠出型年金の拡充等により、選択型のセーフティネットの整備」の一文が記されています。
すでに各関係団体からの制度改正要望等も出揃っており、厚生労働省に提出されています。こうした意見がどのように生かされ、「安心安全のセーフティネット」を構築することができるのか期待したいところです。